無垢の木に精通した大工さんしか知らない、構造材の話

こんにちは。タッチハウスブログスタッフの平戸です。

あなたはこういう柱を見たことがありますか?

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これは背割りという加工をした柱。

この加工が、家の強度を上げるのに重要な役割を果たしているって知っていましたか?そしてこの加工技術を知らない大工さんが増えていることも...。

今回は木造住宅に精通した大工さんに聞いた構造材の話です。

まずはじめに背割りとはどんなものかと言うと?

引用 住宅用語大辞典より
背割りとは、未乾燥の針葉樹の心持ち材などにおいて、製材後の乾燥による材面割れ(背割れという)を防止・軽減させるために行う製材工法のこと。 一般に、化粧的価値の低い材面に、材面のセンターから角材の中心に向けて、適度な深さの溝を角材の全長に渡って入れるが、これを「背割り」や「芯割り」という。


心持ち材というのは中心に年輪のある材木のことで、中心部を避けた心去り材よりも腐りにくく、強度があるため構造材として使われることが多いのだそう。

切れ目を入れることで強度が下がると思われがちなんですが、実は入れた方が強度が上がるそうなんです。その理由は...

下の写真を見てください。

人工乾燥材と自然乾燥材.jpg


写真の右が背割りを入れて乾燥した柱です。背割りの部分に割れが集中する事で開いてきます。立てた後もある程度開いてくるので、壁を押してしまい膨らんできて、壁が微妙に狂ってきます。

こんなイメージ。
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写真の右は背割りを入れずに人工的乾燥したものです。表面の狂いはないのですが、柱の芯の部分の密度が高く強度がある部分に割れが生じています。

なので上からの荷重を支える圧縮強度が落ちてしまうんです。でも、狂いがないためクレームが起きないという理由で現在は主流になっています。

このように強度よりも見た目を優先しているのが今の建設業界です。これがスタンダードなのでこういう木の習性や背割りを知らない大工さんも増えているのだそう。

いつ地震がきてもおかしくない日本に住んでいて、こういった木の性質を知らない大工さんに家を建ててもらうのはリスクが高いですよね。

実は私がこの話を聞いたのは最近のことです。私が家を建てた当時は全く知らなかったのですが、無垢の木を使った木造住宅を専門に作るメーカーだったので、木の性質を知る熟練の大工さんが建ててくれたのだと思います。

無垢の木を日常的に使っているメーカーと、集成材や新建材を日常的に使っているメーカーとでは、知識と経験が全く違います。無垢の木や漆喰などの自然素材の塗り壁で家を建てたいと思っているあなたは、ぜひメーカーの営業マンと話す時に今回の背割りのことを聞いてみてください。その受け答えで、無垢の木に精通したメーカーかどうかがわかります。

ちなみに背割りについて最近私に教えてくれたのが、タッチハウス山田代表です。彼はまあ言ってみれば木のオタクですね。木のことなら何でも相談してみてください。

今回は、無垢の木に精通した大工さんしか知らない構造材の話でした。ご質問などありましたら代表が何でもお答えしますのでコメント欄にどうぞ!

それではまた次回お会いしましょう!

「せっかく導入したけどいらなかった」設備ベスト3

こんにちは。タッチハウスブログスタッフの平戸です。

家を建てる時は夢が広がり、あれもこれもとたくさんの設備をつけたくなりますよね。
私も13年前に家を建てる時、あれこれと憧れの設備を導入しました。もちろんつけてよかったものもありますが、
「あー、これはやめとけばよかった...」と後悔している設備もあります。

家を建てるのには予算というものがありますよね。
家を建てる前に自分に必要のない設備がわかっていれば、貴重なお金を他に回せたのに...という思いがあります。

そこで今回は「憧れを盛り込んで新築した家」に13年住んでみた経験から、我が家の「せっかく導入したけどいらなかった」
設備ベスト3を紹介したいと思います。これは自然素材の家に限った話ではないかもしれませんが、何かの参考になれば...(^^♪

それでは行ってみましょう!

☆子供部屋のベランダ
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我が家は娘と息子がいてそれぞれ個室があります。そこに掃き出し窓から出られる共通のベランダを付けました。

ベランダで「子供がベランダで遊んだり、椅子を出して夕涼みしたりするかもしれない」

なーんて思っちゃったんですね。ベランダにはそんなイメージを喚起させる何かがあるんでしょうか。
「それにはゆったりしたスペースがないと」と、1坪くらいの大きさで作ってしまったんです。

ええ、あなたが思っている通り、子供たちは一度もベランダで遊びませんでしたね...。
冷静になってみればわかったはずなのに...。今思うと憧れというきらきらにかき消されてしまったんですね。

たまに布団を干すためだけにしか使わないスペース。でも、砂がたまって汚れるし、落ち葉も吹き込むし、広さがあるだけに掃除が大変。

実は落ち葉の掃除を怠っていて、大雨が降った日、排水しきれなくて雨漏りしてしまったこともあるんです。
よくよく聞いてみると、ベランダは非常に雨漏りの危険がある所らしいんですよね。知らなかった―(-_-;)

頻繁に使う場所ならともかく、布団を干すだけの用途なら、窓の外に布団干し用の金具をつければすむことだったなーと今になって思います。

しかも外観を考えてベランダの柵を木にしてしまったので、数年に一度ですが防腐効果のあるペンキを塗るのもまあまあ手間も費用もかかります。

ベランダのメンテナンスは意外に大変です...。

☆風呂場前の庭
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「お風呂に入っている時に、窓から庭が見えたら素敵だな...。」
こういうのモデルハウスや住宅雑誌にあるじゃないですか。憧れてたんですよね。
お風呂の窓から見えるように植栽をしてライトも設置。外から除かれないようにぐるりと板塀で囲みました。

でも...窓、意外と小さかったんですよ。ユニットバスなので規格が決まってたらしくて、あれ?って感じでした。

そのせいもあるかもしれないんですが、見ないんですよ...外...。
子どもが小さい頃は一緒に入ったりして忙しくてそれどころじゃなかったというのもあるし、
そもそもお風呂に入る時に何をするのか、しっかり考えておけばよかったんですよね。

実は私の場合はお風呂の時間はたいてい読書しているし、娘や息子はテレビやユーチューブを見ていて窓の外なんて見ないんです。
唯一夫はぼうっとしながらお風呂に入るのが好きな人なのですが、その時に庭を見るかと言うと近眼の夫はメガネを外しているので何にも見えないのだった...。

それでなくても窓を閉めると曇っちゃうし、時が経つにつれて、お風呂場なだけに窓ガラスに水垢がついてきて見えなくなってきちゃうし...。

なんで作っちゃったかなあ...。

お風呂の窓の前にしつらえた立派な紅葉、室外用ライト、板塀...。これらの予算を天井を塗り壁にするために使えばよかったなあ...。

☆キッチンカウンター
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朝の忙しい時間にキッチンカウンターで朝食をとりたい。
そうすれば出すのも片づけるのも楽だし、家族と顔を合わせながら食べれていいなと思っていました。

我が家のキッチンはアイランド型なのですが、シンクの反対側に椅子を付けて、座ってご飯を食べられるようにしました。

最初は使ったような気がします。でも記憶がほとんどないほど数回しか使ってないんですね。
収納と兼ねているので、座面が垂直でコロコロがついているという座り心地の悪さもさることながら、
家族の関心がテレビにあるというのを完全に見落としていました。
誰も母の私の顔を見ながらご飯なんて食べたくないんですよね(^^;

この場所を収納にしていたら便利だったなーと今は思いますねえ。これから作り直そうかな...。

以上が我が家の「せっかく買ったけどいらなかった設備」ベスト3です。

ご家庭によって様々な憧れがあると思うのですが、私がおススメしたいのは、一度自分の家族の生活を頭の中でシュミレーションしてみることです。
私たちの場合、憧れの設備が欲しいばかりに、都合のいい事しか思い描けないというバイヤスがかかっていたので、
ぜひそのバイヤスがあるという事を知った上でシュミレーションをしてみてください。

「その設備ホントに必要?」と問いかけながら...(≧▽≦)


今回は「せっかく買ったけどいらなかった設備」について、私の超個人的な感想をお話しました。

ご質問などありましたら何でもお答えしますのでコメント欄にどうぞ!

それではまた次回お会いしましょう!