山田代表に聞きました!地震に強い家って?後半

こんにちは。タッチハウス広報の平戸です。

前回のブログでは、タッチハウスの山田代表に地震に強い家について質問しました。

前回は地震に強い構造や耐震、制振などについての基礎的なことを聞きましたが、休憩をはさんで後半の今回は、実際にこれから建てるならどんな構造がいいのか、リフォームで強化することができるのかを聞いてみたいと思います。

実際に現場で35年家を作り続けている山田代表の、現場のリアルな話を聞き出していきたいと思いますのでよかったら最後までお付き合いくださいね!

前回のブログを読んでいない方はわかりにくい話になると思いますので、前回のブログ「山田代表に聞きました!地震に強い家って?前半」を読んでから後半に入るのをおススメします。

山田代表に聞きました!地震に強い家って?前半

というわけで後半戦です!

平戸「前回は頑丈に固めるだけの構造では昨今の巨大地震では倒壊してしまうことがあり、「制振」という考えが広まってきているという話を聞きましたよね。
制振ダンパーという装置を構造体に組み込むことで巨大地震に耐えられる家になるということでしたが、その制振ダンパーとはどういうものなんですか?」

山田「制振ダンパーとはこういうものです。

ダンパー.PNG


制振システムは躯体の変形量を抑えるのが特徴で、免震のように地震の揺れ自体を軽減するものではありません。
地震が発生すると免振装置の下図の部分が滑り出し、素早く大きなエネルギーを吸収できます。

dannpa- .PNG

従来の耐震構造だと、筋交いなどの耐力壁で地震の揺れに対して力で対抗するので、一度目の強い揺れで破損個所が出来、繰り返しの地震に対して揺れ幅が大きくなっていきます。(下図参照)

dannpa.PNG

そこにこの制振ダンパーをプラスすると、下図のように地震の揺れを吸収し建物の損傷を抑えることができるのです。」

dannpa2.PNG

平戸「スゴイ!制振ダンパーを加えるだけで揺れ方が全然違いますね。うちにもつけたかったなあ...。」

山田「ただ、制振ダンパーはそれをつけただけでは意味がないんです。
制震装置は各社から出ていますが、建物の耐震性能が有って初めて効果を発揮できます。

耐震プラス制震で、耐震が先なんです。

しっかりとした構造設計と工事管理ができることが必須条件なんです」

平戸「やっぱり構造ありきなんですね。どんな構造が地震に強いんですか?」

山田「地震に強い構造とは、まず第一に家の形が正方形や長方形のシンプルなことです。四角い家は、建物に生じた揺れの力を、6つの面が一体となって耐えるように働きます。

L字型などの変わった形の家は、特に揺れ幅が違いうので曲がった境目部分にエネルギーが集中してしまうので損傷しやすくなります。

また、建築工法の観点からいうと、木造と鉄筋コンクリート造、鉄骨造はどれも一長一短あり、どれが一番地震に強いとは一概にいえません。

工法に関わらず次のようなポイントが押さえられていることが重要です。

● 耐震力が適切な量とバランスで配置されている
● 基礎がしっかりしている
● 結合部分がしっかり接合されている

このようなポイントをしっかりクリアしたうえで、制振ダンパーをプラスしていけば非常に安心できる建物になります」

平戸「なるほど~。制振ダンパーとこのポイントを押さえれば、耐震等級3はクリアできるってことですね!でも高くなりそうです(^^;」

山田「もちろん高くなります(^^;ただ、最近は規格住宅というものがあるんです。間取りや仕様を規格化してあり、その中のいくつかのパターンの中から選択するというものです。

この規格住宅だと、部材を規格化することで大量に発注できるため、仕入れ値を抑えることができるので、注文住宅より大幅に予算を抑えることができるんです」

平戸「耐震等級3の規格住宅があるんですか?」

山田「ありますよ。タッチハウスで今度発表する規格住宅は耐震等級3です。探せば他にもあると思いますよ。ぜひ色々と見比べてみてください」

平戸「そうなんですね!新商品発表会があると書いておきながら、内容を把握してなかったです(^^;チラシできたようですね。こちらです⇓」

  • Arieチラシオモテ タッチハウス -イラストレータ - コピー_page-0001 - コピー.jpg
  • アリエ チラシ 裏 タッチハウス イラストレータ- - コピー - コピー.jpg

山田「ちなみに、制振ダンパーはリフォームでつけることもできます。耐震が気になる人は取扱店に相談してみてください。もちろんタッチハウスでも施工できますよ。」

平戸「ほんとですか?うれしい!!」

話を聞き、巨大地震が来ても安心な建物が、今は手に届く価格になっているんだと感動しました。自分が家を建てた13年前は、こういう情報に触れなかったので、これから建てる人がうらやましいです。

安心と価格はトレードオフ。こういうことを知った上で、安心をとるのか、設備をとるのか、空間の広さをとるのか、自分にとって何が必要かを、信頼できる施工会社に相談に乗ってもらいながら見極めてくださいね。

今回は前・後編に分けて地震に強い家について、山田代表に聞きました。安心な住宅を建てたいと思っているあなたのお役に立てたら、とっても嬉しいです。

ご質問などありましたら何でもお答えしますので、ぜひコメントくださいね!感想などいただけたら、小躍りして喜びます!

山田代表に聞きました!地震に強い家って?前半

こんにちは。タッチハウス広報の平戸です。

お正月はいかがお過ごしでしたか?家を建てようと考えている方は、お休みの間に住宅展示場などに行く機会もあったのではないでしょうか。

私も家を建てる前は住宅展示場巡りが週末の楽しみになっていました。
間取りや材質などを実際に見ることができるので、自分の家のイメージをふくらませるのにすっごく役にたつんですよね。

私のような建築の素人でも、展示場などに行けば見た目のイメージは割としやすいのですが、構造などの見えない部分はイメージが難しいものです。

間取りや内装は、生活しやすさを左右する大事な要素ですが、構造は地震や火災があった時に生き残れるか、家が崩壊してしまわないか、生死にかかわる最も重要な部分なんですよね。

でも、その部分が私たち素人にはわかりにくい...(^^;

特に静岡県は巨大地震が来る可能性が高いと言われている地域です。

実は2011年の宮城県沖地震の際、私の住む富士宮でも震度6強の地震があったんです。
家を建てて2~3年目だった我が家もすごく揺れて本当に怖かった...。
幸い住むのに支障をきたすほどの被害はなかったのですが、あれ以上の地震が来たら...と思うと怖いですね。

これから家を建てようと考えているなら、やっぱり大地震がきても安心な家を建てたいですよね。
fumira_jisin_soft.gif

そこで今回は、修業時代を含めて35年以上の大工の経験をもつ建築のプロ、タッチハウスの山田代表に、地震に強い住宅について聞いてみました。

前半では地震に強い構造や耐震、制振などについての基礎知識を、そして後半では実際にこれから建てるならどんな構造がいいのか、リフォームで強化することができるのかなどを聞いてみました。

平戸「住宅展示場に行くとどの会社も地震に強いと言うんですが、そもそも地震に強い家ってどういうものなんですか?」

山田「そうですよね、一般の方にはわかりにくいですよね。それではまず基本的なことからお話していきますね。」

平戸「ハイ(^^♪お願いします」

山田「まずは住宅はどうして倒壊してしまうかというと、地震で大きな力が加わると、大きく変形してしまい、その時に柱と梁や土台が組んである部分が外れたり折れたりするからなんです。

直下型の地震では、縦方向の揺れによって柱が土台から抜けてしまうといったこともあります。

そのため、強度を上げるために筋交いや耐震金物、構造用合板で強化するのですが、この壁が少なかったり配置のバランスが悪いと、
揺れの共鳴が起こり変形が大きくなる箇所が出来、柱や梁がこわれやすくなってしまうんです」

平戸「ふんふん、それはイメージできます」

山田「この耐力壁の量やバランスを取るように、建築基準法では基準を定めているのですが、それはその基準を満たしていなければ危険という最低のライン。
そこからどれだけ耐震性が優れているのか数値にして表示したのが「耐震等級」という指標なんです。数値で見られるので施主さんにもわかりやすいと思います」

平戸「そんなものがあったんですね。何にも知らずに建ててしまっていました。」

山田「そうなんです。2000年に施行されていますので、平戸さんが建てた時にもあったと思いますよ(笑)等級1が建築基準法の耐震性能を満たす水準で、震度6強の地震が1回来ても倒壊しにくい耐震性能。
等級3まで3段階に分けられています。

等級2は1の1.25倍、3は1の1.5倍の強さがあると定義されています。等級が上がるほど柱や梁が太くなり、窓などの開口部は狭くなります」

平戸「壁や柱が太くて多いほど強いんですね」

山田「理論上はそうなりますね。等級1は震度6強から7程度の地震で倒壊や崩壊しないというレベルの建物なので、倒壊はしないけれども損傷を受ける可能性はあるという意味でもあります。

命は助かるけれど避難所暮らしになったり、建て替えが必要になる可能性があるということです」

平戸「なるほど~、そういうことなんですね。命が助かることがもちろん大事だけど、被災後の生活もめっちゃ重要です」

山田「長期優良住宅では、耐震等級2以上が認定条件とされていて、避難所に指定される公共施設は等級2以上でないとならないと定められているんですよ」

平戸「じゃあ3になるともっと強いってことですか?」

山田「3の建物になると、一度大きな地震の力が加わってもダメージが少ないので、多少の修復で住み続けることができ、大きな余震が来ても耐えられるんです。

余震の方が大きかったと言われる熊本地震では、一度目は耐えたけど二度目の余震で倒壊した建物が多かった中、等級3の建物は大丈夫だったんですよ」

平戸「それ!すごくわかります。震度6強の地震の時、余震が大した事なかったのでよかったんですが、また来たらと耐えられるのかなとものすごく不安でした」

山田「そんな不安を持たなくても済むよう、これから家を建てるなら等級2か3の家を建てるのがいいと思います。倒壊はしなくても半壊して建て直しとなれば、その後の人生設計に大きく差が出てきますから。

まして震度6強以上の地震が10年に1回の頻度で発生している最近です。震度6強以上の地震には対応できない等級1では命の保証もできません」

平戸「本当にそうですね。首都圏、東海地方で大地震が起こる確率は70%と言われ始めて、もうずいぶん経ってる...。明日起こっても全く不思議じゃないんですよね。」

山田「実は、近年日本列島を襲う大地震では、耐震等級2の建物も崩壊してしまったという例もあるんです。従来の頑丈な作りだけでは大地震の衝撃を受け止められないということがわかってきたんです」

平戸「うわー、それだけ地震が巨大化してるってことなのかなあ。何かいい方法があるんですか?」

山田「今は「耐震」だけでなく「制振」という考えが広まってきています。

頑丈な建物を作るという「耐震」では、大きな地震の力を受けると強い衝撃が生まれ、構造体が損傷してしまいます。

「制振」というのは、建物が揺れた際に、揺れ続けたり、変形・損傷したりしないように、構造に組み込んだダンパーと呼ばれる装置が変形することによってエネルギーを吸収し、揺れを抑えるものです。自動車などに用いられるサスペンションのようなイメージです」

平戸「それを構造体に組み込むことで、より地震に強い家ができるんですね。なんか希望が見えてきました!

ここまで地震に強い家の基礎知識を聞いてきましたが、長くなりそうなので休憩入れましょう。後半では制振ダンパーについてもっと詳しく聞かせてください!」


というわけで後半もぜひお楽しみに!