思い出の家に住み続けたいあなたに!古い家の寒さ対策 番外編1

冬は寒く夏は暑い...築年数の経った家に住んでいるとこんなお悩みを抱えている方が多いのではないでしょうか。

今年は特に寒さが厳しいのでリフォームをお考えの方もいるのでは。

でも少しの工夫で寒さが軽減されることがあるのです。この工夫でリフォームをしなくても快適に過ごすことができるようになるかもしれません。

そこでこのシリーズでは古い家が抱える寒さに対する問題に対する対策を紹介しています。長年住み続け、思い出がいっぱいの家にずっと住み続けるためにぜひお試しください。

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前回までお伝えしてきた寒さ対策ですが、対策をしてもどうしても寒い場合はリフォームをしてみてはいかがでしょうか?

今回の番外編では、タッチハウスで実際に行っている断熱リフォームの様子をご紹介します。

今回の現場は、冬は寒さが厳しい御殿場の築30年の住宅のリフォームです。具体的な寒さ対策として、床暖房と内窓工事を提案施工しました。

床暖房

タッチハウスではシート式の床暖房を採用することが多いです。今回の現場もこのシート式の床暖房です。
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この商品はアルシステムのプリマヴェーラネオというフィルム式の床暖房で、一般のものと比べると約1/3程に予算を抑えられます。

タッチハウスでは、この床暖房の専用メーカーの商品を採用する事でコストを抑え、同じ予算で、リビングダイニングだけでなく廊下や水回りまで全面に張ることも可能にしました。

安いだけではなく、薄さ僅か0.5mmという超薄型タイプなのでリフォームの際も段差が生じることなくすっきりと仕上がります。しかも30年もの保証がついているので安心なのです。

でも、家の熱の出入りを調べると、床からどんなに暖めても窓からなんと58%も熱が出て行ってしまうという事実があります。

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そこで施主さんに内窓をつける提案をしました。

内窓って?
内窓は「複層ガラス」「ペアガラス」と混同されやすいですが、まったくの別物です。「複層ガラス」は、2枚以上のガラスの間に乾燥空気や質量が重いガスを封入したガラスのことです。ガスの種類が何かによって防露・断熱効果は変わります。

二重窓は、既存の窓はそのままに室内側に取り付ける窓サッシのこと。複層ガラスのようにガラスだけが二重になるのではなく、窓サッシ自体が二重になります。ただし、二重窓のガラスはいくつかのタイプから選ぶことができ、そのガラス自体を複層ガラスにすることもできます。

断熱性能が上がる

内窓をつけると、今ある窓と内窓の間に空気層ができることで、冷たい外気の影響を受けにくくなります。室内側が冷たくなりにくいので、結露の発生も抑えられます。

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また、最近では、内窓のサッシ枠のほとんどが樹脂製となっており、金属製のサッシ枠に比べ気温の影響を受けにくく、温かい室内の温度を効率的に保ちます。

防音効果がある
窓ガラスは、壁や屋根と比較して、防音性の低い建材です。ガラスを通して家の中の音が漏れたり、外の音が入ってきたりしています。

防音のためには開口部の気密性を高めるのもポイント。二重窓にすることで隙間がなくなり気密性が大きく向上するため、防音対策になります。

防犯対策になる

二重窓(内窓)は防犯対策にもなります。

家に侵入しようとした際に、2回ガラスを割らなければならないというのは、心理的に非常にストレスをあたえると言われています。それだけで大きな抑止力になるのです。

採用するガラスを防犯対策向けのガラスにするなど、ガラスとあわせた対策をすればさらに防犯率は上がります。


いいことばかりに見える内窓ですが、もちろんデメリットもあります。

価格が高い

当然ながら今までご紹介してきた断熱シートなどの対策と比べ、価格が高くなっています。なかには自分で設置する人もいますが、施工業者に依頼することが一般的です。費用は、窓のサイズなどにもよりますが、数万~数十万円程度となります。

開閉の手間が増える
窓が二つあるので、換気の際や出入りの際に開閉の手間が二重になります。

掃除の手間が増える
窓サッシと窓ガラスが増える分、掃除の手間が少し増えます。とはいえ、汚れやすいのは既存の外側のみ。結露を拭く面倒な作業が減ることを考えれば、そこまでの手間ではないでしょう。

狭くなる場合も

室内側に取り付ける分、お部屋が数センチ程度ですが狭くなる場合もあります。

デメリットを考慮しても、それ以上にメリットのほうが大きい商品だと思い提案しました。

次回は実際の内窓の様子をお伝えします。

床暖房に使える床材って?

こんにちは!

タッチハウス広報の平戸です。

冬本番を迎え、今回のシリーズでは床暖房についてお伝えしています。

前回に引き続き今回は床暖房で使う床材についてお伝えしていきます。
(前回はタッチハウスおススメの床暖房をご紹介しました)

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一般的な床材やフローリング材と床暖房に対応した専用のフローリング材には違いがあります。 その特徴とは


・床暖房対応の床材には、急激な温度変化でも膨張や収縮しにくい性能が求められる。

・床暖房対応のフローリング材は、特殊な加工や性能が必要なため一般的な床材より高価になりがち

・無垢材と床暖房は相性が悪い

の3つです。ではひとつひとつ見ていきましょう。

床暖房対応の床材には、急激な温度変化でも膨張や収縮しにくい性能が求められる

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床暖房設備を設置すると、大きな温度変化の負荷が床材にはかかります。床暖房設備の種類にもよりますが、冬場であれば外気温0~10℃前後から一気に30~60℃前後まで急激に温度が変化します。

急激な温度変化は、床材の収縮につながり、木材が収縮してフローリングの間に隙間が発生します。

そのため床暖房を利用する際には床暖房専用の収縮が起きにくい床材が求められます。

床暖房対応のフローリング材は一般的な床材より高価になりがち

床暖房による急激な温度変化はフローリング材の収縮を招きます。床暖房対応のフローリング材には温度変化による収縮をしにくい工夫が施されています。

その工夫とはきびしい含水率管理と材料選定、そしてヒビワレ防止処理など。そのため価格も高めになっています。

そのためリーズナブルに施工できるフロアタイルなどの床材もあります。クッションフロアは、床暖房に対応していて、工費がフローリング材と比べて半額程なのでリーズナブルです。

無垢材と床暖房は相性が悪い

無垢材は、乾燥や熱により収縮や反り・割れなどが生じやすい特徴があるため、床暖房使用の環境下では安定した品質の確保が難しいのです。

でも現在は無垢材に寸法安定性を高める処理を施すことで、床暖房にも対応することが可能になりました。

床暖房対応の無垢フローリングは、熱や乾燥による反り・割れ・収縮が生じにくいように、一般的なフローリングとは異なる工程・処理を経ているので熱に強いのです。

ただ、無垢床と床暖房を開発しているメーカーは、全く違う企業なため、組み合わせ次第では相性が悪いこともあります。

床暖房を標準とするメーカーは無垢床希望にあまり良い顔をしませんし、逆もまた同じ傾向があります。

選ぼうとしているフロア材が、導入する床暖房に適合するかをしっかり施工業社に確認の上、吟味を重ねる必要があります。その上で問題が発生した場合に補償の対象になるかもチェックが必要です。

まとめ

床暖房の床材は温度変化に耐えられる性能が求められる
床暖房のフローリングは一般のものより高価
床暖房と無垢床の同時採用はリスクが高い

床暖房に使える床材は多くの制約がありますが、タッチハウスではあなたのご予算、ご要望に合わせて床材をご提案させていただきます。宮大工出身の確かな技術と知識であなたの理想を叶えます。こんなの無理かなとあきらめずに何でもご相談ください。