あなたは設置する?しない?太陽光発電のメリットデメリットVol2

こんにちは。タッチハウス広報の平戸です。

タッチハウスで新築のご相談を受ける時、皆さんからよく聞かれるのが太陽光発電のこと。太陽光発電は実際つけた方がいいの?よくないの?やっぱり気になりますよね。

というわけで、今回からはちょっと気になる太陽光発電について、リアルな情報をお届けしたいと思います。

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第二回目の今回は
ソーラーパネルの種類と発電効率
についてお伝えしていこうと思います。

まず、太陽光発電の基本的な仕組みをおさらいしておきましょう。

「太陽電池」は、「電池」と付いていますが、電力を蓄える装置ではなく、太陽の光エネルギーを直接電力に変換する「発電機」の役割をはたします。

太陽から地上に降り注ぐ「光エネルギー」が「太陽電池」に当たると、「光起電力効果(ひかりきでんりょくこうか)」とか「光電効果(こうでんこうか)」と呼ばれる現象が起こります。

光が照射されることで、太陽電池を構成している半導体の電子が動き、電気が起きるのです。

太陽電池は、シリコン系、化合物系、有機系とあって、それぞれに発電効率がちがいます。現在の主流はシリコン系で世界の生産量の約8割をしめています。

今回は主流を占めるシリコン系について調べました。シリコンの中にもいくつかの種類があります。

それぞれの特徴を調べてみました。

単結晶シリコン
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塩の結晶みたいに一つの結晶を大きくして棒状にして輪切りにしたものが単結晶シリコン。発電ロスが少なく発電効率がいいのが特徴です。他のものと比べて製造コストが高いのが難点。

温度の上昇にはあまり強くないため、気温の高い日には変換効率が低下してしまう場合もあります。

耐久年数はメーカー推奨は20年~30年。

多結晶シリコン
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小さいシリコンを切り張りしているのが多結晶シリコン。作るのに時間がかからず原材料も安いので今一番メジャーな素材。

耐久性はメーカー推奨は20年~30年。

アモルファスシリコン
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電卓にのせている太陽電池がこれ。ものすごく安価なのですが発電量も少ないタイプ。消費電力が小さいものには向いている。監視カメラ、庭のライトとかにも使われることが多い。

ガラス、または金属片などの基盤の上に、薄膜状のアモルファスを形成して作るため、変換効率が低いというデメリットがあります。ただし、薄膜状ということで加工性がよく応用性が高いのが特徴です。

HIT(ヘテロ接合型)

異なる種類のシリコンによって作られたパナソニックが製造する太陽光パネルのことです。

単結晶シリコンとくらべると変換効率が高く、高温時の出力低下も少ないのですが、製造方法が複雑なためコストが割高に。

ただ、パナソニックは2021年度中に太陽電池生産から撤退すると発表しているので、今後HITは選べなくなる予定です。

発電効率

そして気になる発電効率ですがまあ、上記の記事で想像はついていたと思うのですが、

単結晶パネルの変換効率.........20%程度
多結晶パネルの変換効率.........15%程度
アモルファスシリコンパネルの変換効率............10%程度
となっています。

2019年時点で製品化レベルで最も変換効率が高い太陽電池は、東芝製(SPR-X22-360)の「22.1%」となっています。現状で他の種類の太陽電池と比べて最も変換効率が高い結晶シリコン系太陽電池ですが、変換効率の限界数値は理論上「29%」と言われています。

変換効率はパネルの性能の他にも、影、気温、積雪、経年劣化にも大きく左右されるのはご存じでしょうか?それも気になりますよね。

次回は発電効率に影響を及ぼすこれらの現象についてお伝えしていきます。
お楽しみに!

あなたは設置する?しない?太陽光発電のメリットデメリット VOL1

こんにちは。タッチハウス広報の平戸です。

タッチハウスで新築のご相談を受ける時、皆さんからよく聞かれるのが太陽光発電のこと。太陽光発電は実際つけた方がいいの?よくないの?やっぱり気になりますよね。

というわけで、今回からはちょっと気になる太陽光発電について、リアルな情報をお届けしたいと思います。

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このシリーズでは

〇太陽光発電の現状
 
〇ソーラーパネルの種類と発電効率
 
〇影で発電量はどのくらい落ちる?

〇太陽光発電の今後の動向

〇太陽光発電の環境への影響

〇家計への影響
 
などを6回に分けて深堀りして、総合的に太陽光発電のメリットデメリットをお伝えしていきます。
 
第一回目の今回は太陽光発電の2021年秋の現状をお伝えします。

導入件数

まず家庭用の太陽光発電の導入件数から現状を見てみましょう。

以下のデータは2012年から2019年までの導入件数を経済産業省が公にしているものです。

住宅用:10kW未満
2012年度 426,868
2013年度 288,118
2014年度 206,921
2015年度 178,721
2016年度 161,273
2017年度 133,012
2018年度 146,640
2019年度 151,644

2012年と言えば太陽光発電の普及拡大を目的として、住宅用太陽光発電で発電した電気を10年間一定価格で買い取る「FIT制度」を政府が施行した年。

当時高値だった売電価格を10年キープできるというメリットは絶大で、2012年には新築、既築あわせて426,868件の導入がありました。

その後は急速に導入件数が減り、ここ数年は15万件くらいで推移しています。

売電価格

太陽光発電の売電には固定価格買取制度というものが導入されており、10年間は売電単価が保証され一定に保たれています。

この10年という単位は、固定された売電単価で10年間電力を売り続けていけば最終的に10年後くらいに元が取れるという計算で設定されているのです。

技術が進歩しソーラーパネルの価格や設置費用が安くなれば、売電単価も市場を反映し下がっていきます。
 
売電価格の推移
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太陽光発電総合情報サイトより

設置価格の推移
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このようにここ10年の初期設置費用の下落に比例して売電価格も下落しています。

「売電価格が下落傾向なので少しでも早く設置した方が得しますよ」と売り込む業者さんもいるようですが、このように売電価格は市場とのバランスをとっているので、どっちが得ということはありません。

太陽光発電の補助金制度

設置価格が下がっているとはいえ、4.00kWhのせれば平均で1,144,000円。安い買い物ではありません。補助金が出ればうれしいですよね。

では補助金は現在どうなっているのでしょうか?

2021年時点で国による太陽光発電の購入や設置、関連機器類の補助金制度は残念ながらありません。

正確には既に補助金制度が廃止となっています。

国による太陽光発電の補助金制度は2014年に終了し、その後も太陽光発電の設置や購入に関する補助金制度を立ち上げていません。

ただ、自治体による補助金制度は行っている場合があります。

自治体の補助金には、「都道府県」からのものと「市区町村」からのものがあります。

全ての都道府県や市区町村で助成を行っているわけではないので、お住まいの自治体の状況を調べてみることが必要です。

こちらのサイトでは2021年度の太陽光発電の補助金の都道府県別の一覧を見ることができます↓
太陽光発電の補助金の都道府県別の一覧

今回の記事では太陽光発電の2021年秋の現状をお伝えしました。

次回は太陽光発電の基礎、ソーラーパネルの種類と発電効率についてお伝えしていきます。どうぞお楽しみに!