思い出の家に住み続けたいあなたに!古い家の寒さ対策5選VOL3-2

冬は寒く夏は暑い...築年数の経った家に住んでいるとこんなお悩みを抱えている方が多いのではないでしょうか。

今年は特に寒さが厳しいのでリフォームをお考えの方もいるのでは。

でも少しの工夫で寒さが軽減されることがあるのです。この工夫でリフォームをしなくても快適に過ごすことができるようになるかもしれません。

そこで今回は、古い家が抱える寒さに対する問題に対する対策を紹介します。長年住み続け、思い出がいっぱいの家にずっと住み続けるためにぜひお試しください。

前回の古い家の寒さ対策3では冷たい床に直接肌がふれない工夫と題して、カーペットや断熱マット、ルームシューズのご紹介をしました。

実はカーペットではもう一種類おすすめがあります。それがウッドカーペット。でもウッドカーペットについては、お伝えしたいことが多すぎて、前回の記事にはおさまりませんでした(^-^;


そこで今回は前回の続きとして、ウッドカーペットのご紹介をしていきたいと思います。
4427145_s.jpg
ウッドカーペット

家の中の体感温度で重要なのが床の温度。足から体の熱がどれだけのスピードで奪われるかで体感温度が大分変わってきます。

足の体感温度をあげるには床の温度を上げるか、熱伝導率の小さい床材を使用することが解決策となります。

前回は熱伝導の小さい床材のカーペット・ホットカーペット・ジョイントマット・コルクマットなどと、熱伝導を小さくするために断熱マットやスリッパ・ルームシューズ・ソックスなどを利用することなどを紹介しました。

では熱伝導率とは材質によってどれほど違うのでしょうか?

材質による熱伝導率のちがい

熱伝導率を調べたこんな資料がありました。
スクリーンショット 2022-02-16 161026.png
                             さとるパパの住宅論より

熱伝導率というのは小さいほど暖かく感じるものですが、カーペットと木材がほとんど数値的に変わらないのに驚かれた人もいるのでは?

そうなんです。合板ではない無垢の木材はカーペットと同じくらい熱伝導率が小さく暖かさを感じさせてくれるのです。

無垢の木材の中でも違う熱伝導率

そうはいっても、無垢の木だけど冷たく感じた...そんな経験をしたことがある方がいるかもしれません。

実は無垢の木は樹種によって大きく二つに分かれていて、熱伝導率がかなり違うのです。

その違いは針葉樹か、広葉樹かです。

そもそもなぜ木材は熱伝導率が小さいのでしょう?

木材を顕微鏡で見てみると、パイプ状の細胞の集合体であることがわかります。この細胞の内側は空気で満たされています。空気は身近な物質の中で最も熱を伝えにくいので、木材の熱伝導率は低いのです。

ただし、同じ木材でも空気を含む量が樹種によって違います。

スクリーンショット 2022-02-17 073156.png

左側が針葉樹で、右側が広葉樹。左側の針葉樹は穴だらけで空気が通る道がたくさんあるのに対して、右側の広葉樹では細胞がみっちり詰まっています。

針葉樹は細胞の内側が空洞で空気が詰まっているから暖かく感じ、広葉樹は細胞に空洞がないせいで空気を含んでいないから冷たく感じるのですね。

針葉樹のスギなどと広葉樹のナラやカリンなどを実際に触り比べてみるとスギの方が断然暖かく感じるのはこのせいなのです。

木材は身体にやさしい

静大の農学部が行った実験で「コンクリ-ト」「金属」「木」の三種類の巣箱でネズミの母子を飼育するという研究がありました。

母ネズミの行動には大きな違いがあり、木箱の場合は落ち着いて授乳していたのに比べ、コンクリート・金属製の巣箱では落ち着きがなく授乳もすぐにやめてしまいました。

子ネズミの生育率はコンクリート巣箱はわずか10%前後、金属製が40%、木製が85%と大きく開きが出たのです。

この差が開いた一番の要因が「熱の奪われ方」つまり「物質の熱伝導率」ということが研究の結果わかったそうです。

身体に接する素材によって動物はここまで影響を受けてしまうものなんですね。ちょっとびっくりですよね。

この研究からも木材は、身体の熱を奪わずに気持ちよく過ごせる素材だということが言えそうです。

ウッドカーペットの選び方

木材はどれがいい?

足元を暖かくというのが目的ですので

無垢板

針葉樹

で作られたウッドカーペットを選ぶのがベストという事になります。

針葉樹といっても多くの種類があります。

国内で手に入りやすい種類でいうと、スギ・ヒノキ・パイン・桐などがあります。空気を含む量を密度で比べると

桐 0.29
スギ 0.38
ヒノキ0.41
ホワイトパイン 0.45

のようになっています。

密度が低いほど空気が多く含まれ熱伝導率は小さくなるので、もっとも暖かく感じる木は桐ということになります。

ただ、密度が低くなると木は柔らかくなります。桐はとても柔らかくて傷がつきやすくフローリング材としては適さないとされているので、ウッドカーペットとして出回っている数はとても少ないです。

一般的にはスギ、ヒノキなどが手に入りやすくおススメです。

気をつけたいのは、無垢板でもウレタン塗装をしてしまっている製品。

同じフローリング材でも、表面の塗装状態によって、感じる冷たさが変わってきます。表面をウレタン塗装などで平滑に仕上げたものは冷たく、表面に被膜をつくらない自然オイル塗料などで仕上げたものは、暖かく感じます。

なので足元を暖かくするには、無垢で無塗装もしくはオイル塗装のものを選ぶようにしてくださいね。

以下は参考までに。

スギのウッドカーペット
https://www.toyamart.com/index.php?dispatch=products.view&product_id=6183

ヒノキのウッドカーペット
https://item.rakuten.co.jp/sikoku-kako/rwpm-1318/

今回は寒い家で暖かく過ごすために、熱伝導率の小さい無垢の木材を使ったウッドカーペットを紹介しました。

次回は古い家の寒さ対策5 サーキュレーターを設置すると題して、サーキュレーターをご紹介したいと思います。どうぞお楽しみに!

思い出の家に住み続けたいあなたに!古い家の寒さ対策5選VOL3

冬は寒く夏は暑い...築年数の経った家に住んでいるとこんなお悩みを抱えている方が多いのではないでしょうか。

今年は特に寒さが厳しいのでリフォームをお考えの方もいるのでは。

でも少しの工夫で寒さが軽減されることがあるのです。この工夫でリフォームをしなくても快適に過ごすことができるようになるかもしれません。

そこで今回は、古い家が抱える寒さに対する問題に対する対策を紹介します。長年住み続け、思い出がいっぱいの家にずっと住み続けるためにぜひお試しください。

前々回の記事では古い家が寒い理由とその寒さ対策その1「断熱性能の高いカーテンをつける」を

前回は寒さ対策その2「断熱シート・断熱テープを貼る」を紹介しました。

今回は古い家の寒さ対策3として、これを気をつけるとかなり体感温度が上がるという、冷たい床に直接肌がふれないようにする工夫をご紹介します。

3291001_s.jpg

冷たい床に直接肌がふれない工夫

寒さの主原因となる窓の防寒対策を施したら、床の防寒対策を考えましょう。床には足やお尻が直接触れる場所。床が冷たいとそこから直に体温を奪われてしまいます。こちらもしっかりとした対策を施すことが大切です。

カーペット・ホットカーペットを敷く
23335791_s.jpg

冷たい床に直接触れない方法の代表はカーペットです。敷くだけでとても簡単ですし、ホットカーペットなら床暖房の効果も期待できます。ふかふかの足元から暖かさが伝わるなんて最高ですよね。

ここではカーペットとホットカーペットの特徴をお伝えします。

カーペット

カーペットは繊維の中に空気の層を備え、肌に優しく冷たさを伝えにくいという特徴があります。ホットカーペットに比べて電気代もかからずコンセントの位置やコードも気になりません。

おすすめの素材
カーペットに求められるのは暖かさですよね。保温性に優れているのは「ウール」や「コットン(綿)」などの天然繊維です。

暖かさを保ちながらも、さらさらとした肌ざわりが魅力です。直接手や足で触れたときの暖かさや心地よさを重視したいなら、ウールやコットンがおすすめです。

厚みをチェック

o0400030013577708295.jpg

カーペットの暖かさは厚みによっても違います。

中材のないものだと厚みは約1㎝前後、中材のあるものだと約2~3㎝のものが主流です。厚みがあるものほど床の冷たさを伝えにくくなります。

カーペットの暖かさは密度によっても左右されます。

厚みがあっても密度が低くしっかり詰まっていないカーペットと、密度が高くみっちりと繊維が詰まったものでは密度が高い方が暖かさが保てます。

実際に手に取って厚みや密度を確認してみて下さいね。


部屋全体に敷き詰めると暖かい


2畳や3畳サイズのラグ(カーペット)をピンポイントで敷くよりも、部屋全体にぴったり敷き詰める方が断熱性が高くなります。

全体に敷き詰めると、敷いた部分と敷いてない部分の温度差から受けるストレスも少なくなりますし、血管の収縮(ヒートショックにつながる)も和らぎます。

ホットカーペット

1384566.jpg

ホットカーペットは文字通りカーペット自体が暖まるので、直接的に暖かさを感じることができます。カーペットでは寒さを遮るのが目的ですが、ホットカーペットは煖房機能がついているのでより積極的な寒さ対策といえるでしょう。

「右側のみ温める」「すべて温める」など、カーペットのどの部分を温めるかを選べる機能がついたホットカーペットなら、より的確に、必要な部分だけを暖められます。

ただホットカーペットは電気代がかかるし、小さいお子さんやペットがいると電磁波が気になる場合もあります。

実際ホットカーペットの電気代は実際どのくらいかかるのでしょうか?

ホットカーペットには、1畳用、2畳用、3畳用と、部屋に合わせて選べるように、さまざまな大きさがあります。サイズが大きくなればそれだけ消費電力も大きくなり、電気代も高くなります。具体的な電気代はメーカーによっても違いますがざっくりと計算してみると・・・。

<1時間あたりの電気代>

1畳用:約2~3円
2畳用:約5~8円
3畳用:約6~11円

といなります。電気代に幅があるのは、ホットカーペットには強弱を調整する機能がついているためです。出力を強くすれば電気代も高くなり、弱くすれば電気代も安くなります。

またホットカーペットは直接肌が触れるところなので、気になる電磁波はどうでしょうか?

ホットカーペットから発生する電磁波は、メーカーによって違いはあるものの、平均して3μT(マイクロステラ)といわれています。

他の家電と比較すると、ホットカーペットの電磁波発生量は大体平均的な高さで、過度に心配する必要はありません。メーカーの公式サイトでは、ホットカーペットの電磁波発生量は体に影響のない範囲であることが明記されています。

ただし使用時間や肌に触れることを考慮すると、赤ちゃんやペットがいるお宅では気にする方が多いようです。

そんな場合は電磁波をカットしたホットカーペットも出ています。

電磁波カットのホットカーペットは、コードの配線が通常と異なります。1本のコードの中に、電流の流れる方向が反対同士の発熱線が2本通っていて、互いに発する電磁波を打ち消しているのです。そのため通常のホットカーペットと比べて、電磁波を90~99%カットできます。

気になる方はチェックしてみて下さいね。

カーペットでももちろん寒さは防げます。暖かさやランニングコストなどを考慮してあなたのご自宅に最適なものを見つけてください。


ジョイントマットやコルクマットを敷く

22336586_s.jpg

ジョイントマットやコルクマットで使用される主な素材はEVA樹脂と呼ばれる弾力性に優れた人に害のない材質です。

これらの素材で製造されたジョイントマットやコルクマットは断熱効果も期待できるため、冬特有のフローリングの冷たさをしのぐことができます。

種類や色も豊富なのでお部屋の雰囲気にあわせていろいろに組み合わせが可能です。


カーペットの下に断熱マットやシートを敷く

キャンプなどでは防寒対策としてテントの床に銀マットやアルミシートを敷くことがあります。

窓の防寒対策でも取り上げましたが、銀マットやアルミシートは保温効果を高めることができるため、床の寒さ対策にもおすすめです。

カーペットを敷いてみたけどまだ底冷えする・・、ホットカーペットの煖房効率をもっと上げたい...
そんな時にぜひお試しください。

スリッパやルームシューズ・ソックスを履く
3291001_s.jpg

一番簡単で効果も高い方法です。何と言っても部屋中どこへ移動しても足元が暖かいのがうれしいですね。ウール素材など足下を暖めることができる素材を使用したスリッパやソックスをはけばより効果的です。

また近年は一般的な形状のスリッパの他にも足首まですっぽりと収まるブーツ型のルームシューズも若い女性を中心に人気です。

ただあくまでも足元を防寒するだけで暖房効果はありませんので、様々な断熱と煖房にプラスするという位置づけです。お気に入りのアイテムを見つけて防寒を楽しんでください。

今回は冷たい床に直接肌がふれないために簡単にできることをご紹介しました。

その対策としては
カーペット・ホットカーペットを敷く
ジョイントマットやコルクマットを敷く
カーペットの下に断熱マットやシートを敷く
スリッパやルームシューズ・ソックスを履く

などでした。次回は古い家の寒さ対策5 サーキュレーターを設置すると題して、サーキュレーターをご紹介したいと思います。どうぞお楽しみに!