祠の修繕

今回は地域の祠の修繕を任されました。

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神社仏閣の建築物は
特有の決まりごとがあり
伝統技術を継承している宮大工が
行うことが多いのです。

代表の山田は若いころ宮大工の棟梁の元で学び
宮大工の技術を持っていることから
こういった仕事を頼まれることがあります。

そもそも宮大工って?

名前は聞いたことがあっても
実際にどれ程の技術や実力があるかということは
ご存じない方も多いのではないかと思います。

宮大工というのは主に
神社や仏閣などの伝統建築を
手掛ける職人のこと。

宮大工の歴史は飛鳥時代(7世紀頃)に
朝鮮から来た二人の僧侶が
飛鳥寺を建てたことから始まったそうです。

聖徳太子もこの二人の僧侶から教えを受け
法隆寺を建立したといわれています。

神社や仏閣は「木組み工法」で建てられているので
木組みの技術を習得している大工でなければなりません。

木組みに使う木材は
工場であらかじめ加工された木材を使うのではなく
木材を自分の手で削って
木組みの木材を作り出しています。

これは家屋大工と宮大工の間の
決定的な違いです。

「木組み」は建物の骨組みにおいて
釘や金物を殆ど使わず
木自体に切り込みなどを施し
はめ合わせていくことで
木と木をがっしり組み上げていく技術です。

木材の加工を全て「手刻み」で行うには
「木を読む」という作業が大変重要です。

木の生育常態やそれぞれの木の性質を読み
どういう用途に適すのかを読むのです。

「手刻み」された「継手」「仕口」と呼ばれる技術によって
材と材を強固に繫ぎ合わせ
地震の多い日本の環境から建物を守ります。

「継手」とは木材の長さが十分でない場合に
長さを継ぎ足すときに使われる技術で

「腰掛鎌継ぎ」「台持ち継ぎ」「追掛け大栓継ぎ」など
70くらいの種類があるとされています。

これにはパズルを組み合わせるような複雑な知識と共に
正確に材を削る技術が要求されます。

材をはめ込んでしまうと表面からは
全くその複雑さは見えないばかりか
繫ぎ目も殆ど分らないくらい精巧なものです。

「仕口」とは2つ以上の材を
ある角度に接合する技術で
土台と柱のつなぎ目、梁と桁のつなぎ目など
それぞれの材を組むときに使われます。

「兜蟻掛け」「大入れ蟻掛け」などと呼ばれるものがあります

このような宮大工の優れた技術は
現在の建築工学から見ても
非の打ち所のない技術だと言えるそうです。

一般の大工は2~3年の修行で
一通りの仕事ができるようになりますが
宮大工は一人前と呼ばれるまでに
最低でも10年の修行が必要とも言われます。

山田が修行した宮大工の棟梁は
宮大工の伝統を守りながらも
墨付けなど従来のやり方とは違った、
関数で建物を考える
ということをしていて

論理的な計算と昔ながらの方法

この二つを融合させた建築方法を
山田に伝えました。

山田はこの方法を元に
独自に勉強も重ねて

現在は数も少なくなった
宮大工の技術を継承しつつ
関数を使った理論的な計算もできる
稀有な技術者として
地域の建築を支えています。

といっても今回は
朽ちた足元の修理(^^)

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材料は欅(けやき)
ウキス欅と呼ばれる
大木で狂いのほとんどない
木の目の細かい飴色の
木肌の材料で作りました。

色つけるのがもったいないくらいの
良い素材。

無事に収まりました。
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地域の大切なものを
当社の技術で守ることが出来るのは
とてもうれしいこと。

この地で37年営業させていただけている
ことに感謝して
これからも地域貢献していけたらと
思っています。