なぜ今木造なの?VOL3

木造建築が近年
大きく変わってきました。

住宅だけでなく
学校や病院といった公共建築を
木で建てる例が増えているのです。

技術の進歩で強く作れるようになったから
木造を後押しする法律ができたから
言われていますが
理由はそれだけでしょうか?

今回のシリーズでは
エネルギー
地方
山との共生

の3つの視点から
近年の木造建築を
見ていきたいと思います。

Vol1でははエネルギー
Vol2では地方の視点から書きました。
3回目の今回は山との共生の視点から
書いていきたいと思います。
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山との共生

この10年で国産材の自給率は上がっていますが
林業の人たちの利益は挙がっているのでしょうか?

答えはNOです。
林業の利益はずっと落ち込んだままなんです。

例えば70年かかって育った木を売ると
1㎡の利益は利益1000円以下という
信じられないような事実!

原因はいろいろあるけれど

木が大きければ大きいほど
切ったり運んだりするのに
コストがかかってしまうこと

節があるものや
角材にカットした残りの木材など
お金にならない部分が多すぎること
が大きいです。

日本もかつては山と建築がつながっていましたが
いまは単に鉄やコンクリートの代わりとして
工業製品のように木材を使っています。

節があっても
工業製品のように完璧に製材しなくても
建物の性能が悪くなることはありません。

加工を押さえて
山の利益を最大化することは
山を守り
日本の木材を守る有効な
手段の一つです。

今のままだと利益にならない
木の産業を廃業する人が
あとを立ちません。

山が衰退したら
戦争や石油ショックなどの
世界情勢によって
木材が入って来なくなった時に
困ってしまう!!!

そんな事情から
木造建築が大きく変わってきているのです。

タッチハウスでも
身近にあるできることから
山を守る活動を続けています。

具体的には

材木を仕入れたら
無駄にならないよう加工して
捨てるところを出さない工夫をすること
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山を知り
山のどこに生えていた木なのかを知り
その木を家のどの部分に使うと
最もその性質を伸ばせるのか考え
長持ちする家を作ること

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などです。

タッチハウスでしかできないやり方で
日本の山を守っていきたい。
そんな思いで携わっています。

何のための木造なのか

たまには原点を見つめ直してみました。

最後まで読んでくださって
ありがとうございました。