まるで新築!全面リフォーム 構造編
こんにちは。タッチハウスブログスタッフ平戸です。
「40年住んだ住宅を、赤ちゃんのいる娘さん夫婦と一緒に住むために全面改装したい」というご依頼を受けて、先週のお盆期間中リフォームの図面を書いていた山田代表。
前回は、このご依頼に提案した間取りを紹介しました。まるで新築!全面リフォーム 間取り編
今回は構造的な部分の提案を紹介したいと思います。
施主さんの住む地域は静岡県内でも寒い地域。
寒冷地は冬場の暖房費がかさみます。それだけではなく部屋の中に温度差があると、ヒートショックが起こる可能性が高く大変危険です。
そこで提案したのは熱を逃さないよう断熱を補強することです。
新しい断熱材を充填する
1975年頃の軽量鉄骨2階建ての住宅であれば、グラスウールなどは使われているかもしれませんが、グラスウールは水分を含むと劣化するので、壁内結露によって性能が落ちてる事は充分に考えられます。断熱材の充填はなされてない箇所もあるかもしれません。
もし入っていたとしても経年劣化で断熱材の性能が落ちてしまっているし、現在は断熱材自体の性能も上がっているので、新しい断熱材を入れると過ごしやすさが全然違ってきます。
ただ、施主さんのお宅は大手メーカーの軽量鉄骨パネル工法。メーカー独自の寸法になっているため在来工法とは柱と柱の間の距離が違い、既成の断熱材が合わないことはわかっています。
実際に解体してみないことには何とも言えないものの、現場に合わせて対応するのは長年の経験から得意分野。経験から培った技術で断熱材を交換することを提案していこうと思っています。
窓の断熱性能を高める
一般的に壁や天井に断熱材を使用することは常識となりつつありますが、「窓の断熱」についてはまだまだ認識が浅く、あまり重要視されていません。
でも、冬の寒さからお部屋を守るためには「窓の断熱」が非常に大きなポイントとなります。
なぜ「窓の断熱」がそんなに重要なのかというと...
一般的な住宅は、壁・床・屋根・窓で構成されていて、暖房時にはそこから熱が逃げて行ってしまいます。
ではこの中で、一番熱の出入りが多い部分はどこでしょう?
答えは...
屋根 5%
床 7%
壁 15%
換気 15%
そして窓は...
なんと58%!!!
暖房で暖めた熱の実に58%が窓から逃げて行ってしまうのです。
「えっ、そんなに」と思ったのではないでしょうか。他の部分と比較してもダントツでNo1なんです。驚きですよね。
部屋の暖かさを逃がさないポイントは「窓の断熱」なのです。
というわけで窓の断熱性能をあげるには・・・
40年経過している窓なので、サッシごと交換できればしたいところですが、今回は、サッシのサイズもメーカー独自のサイズなため、既製品のサッシと交換することができません。
そこで提案したのが現在の窓の内側にもう一枚窓をつけること。
内窓をつける
内窓をつけると、今ある窓と内窓の間に空気層ができるので冷たい外気の影響を受けにくくなるんです。現在は熱を伝えにくい樹脂のフレーム製の内窓も出ていて、さらに断熱効果を高めてくれます。
もちろん内窓のガラスは複層ガラス。
複層ガラスとは、2枚のガラスを使い、そのガラスの間に乾燥した空気を封入したガラスのことです。断熱ガラスは、空気の層が厚いほうが断熱効果が高くなります。
シングルガラスと比較して、複層ガラスは約43%部屋から逃げる熱を減らすことができるのです。
現在の窓と内窓との間の空気層と、複層ガラスの空気層とダブルの空気層で高い断熱効果が期待できます。
ただ、この内窓はどうしても少し出っ張ってしまうので、掃き出し窓に設置するとつまずきの元に。
そこで内窓は掃き出し窓以外の窓に設置することにして、掃き出し窓は現場でサッシの中のガラスを交換することを提案しました。現在のガラスが入っているスペースに2枚のガラスを入れるのです。
一枚分のスペースに2枚入れるので、空気層はそんなに厚くすることはできませんが、シングルのままよりはずっと断熱性能がアップします。
断熱材の交換
内窓の設置
シングルガラスをペアガラスに交換
これらの断熱の補強で、寒冷地でも暖かく快適で、ヒートショックの心配のない家に変身します。
赤ちゃんを迎え、みんなで子育てをする施主さん一家を、物理的にも暖かく応援できる家になるといいな...。
タッチハウスは、このようにリフォームの相談も承っています。無理な営業は一切行っていません。「こんなこと相談してもいいかな?」と思うような小さなことでも安心してご相談くださいね。