オリジナルのサンルーム

先日ご依頼があり
サンルームの増築工事をさせていただきました。

S__40951811.jpg

サンルームは天候に関わらず洗濯物が干せたり
リラックスするための癒し空間になったりと
近年共働き世代にもシニア世代にも人気です。

サンルームの増築工事で
最も気をつけているのが防水処理です。

サンルームを後付けで設置するときは
既存の外壁に釘やビスなどを使って固定します。

このときに固定した部材周辺を
コーキング材でしっかりと防水処理をしておかなければ
雨や害虫が外壁の中に侵入し
建物の耐久性を落とすきっかけとなってしまいます。

せっかく設置したサンルームが
雨漏りや害虫が入ってくる
原因になってしまっては
元も子もない!

というわけで一番気を遣う所です。

サンルームは既製品もあるのですが
今回はオリジナルで一から作りました。

防水処理や見た目など様々な要素を
総合的に見た時に
既製品でしっくりくるものがなかったからです。

屋根板と手前の壁は
ポリカーボという樹脂パネルを加工しました。

S__40951814.jpg

ポリカーボネートは、DIYで人気が高い素材のアクリル板と同じプラスチック材の一種です。

透明な見た目はアクリル板とよく似ていますが
紫外線に強いうえに
-40℃~125℃までの温度に耐えられるという
見た目を裏切る強さを持っているのです。

また衝撃にも強く
非常に割れにくいという特性があります。
その強度はアクリル板の30倍と言われており
プラスチック素材の中でも
最高クラスなんです。

日光浴や洗濯物を乾かす場所として
認識されているサンルームですが、
断熱効果もあります。

住宅の断熱性は
外気と内気の間に
どれだけ隔たりがあるかで決まります。

通常、断熱性を高めるためのリフォームは
壁の間に断熱材を入れたり二重の窓にしたりと
外気と内気の隔たりを作ります。

実はサンルームはそれ自体が
外気と内気の間の隔たりになるんですよね~。

大きな空気のクッションを入れている
イメージです。

建物全体の断熱性能を
上げることはできませんが
隣接する部屋の断熱性を
向上させることはできます。

デメリットとしては
メリットの裏返しになってしまうのですが
夏は太陽熱が空気を温めてしまうので
隣接する部屋が暑くなってしまうこと。

気になる場合は
『屋根の日除け』や『熱量を吸収する屋根材』
などを選択すると暑さを軽減することができます。
すだれとかよしずなども有効です。

サンルームは機能的に素晴らしい面も
もちろんありますが
作ると家の雰囲気は大きく変わり
新たなリラックス空間空間を
作れることが意外なメリットです。
S__40951817.jpg

ご興味のある方は
ぜひタッチハウスにご相談下さい。

なぜ今木造なの?VOL3

木造建築が近年
大きく変わってきました。

住宅だけでなく
学校や病院といった公共建築を
木で建てる例が増えているのです。

技術の進歩で強く作れるようになったから
木造を後押しする法律ができたから
言われていますが
理由はそれだけでしょうか?

今回のシリーズでは
エネルギー
地方
山との共生

の3つの視点から
近年の木造建築を
見ていきたいと思います。

Vol1でははエネルギー
Vol2では地方の視点から書きました。
3回目の今回は山との共生の視点から
書いていきたいと思います。
23438828_s.jpg
山との共生

この10年で国産材の自給率は上がっていますが
林業の人たちの利益は挙がっているのでしょうか?

答えはNOです。
林業の利益はずっと落ち込んだままなんです。

例えば70年かかって育った木を売ると
1㎡の利益は利益1000円以下という
信じられないような事実!

原因はいろいろあるけれど

木が大きければ大きいほど
切ったり運んだりするのに
コストがかかってしまうこと

節があるものや
角材にカットした残りの木材など
お金にならない部分が多すぎること
が大きいです。

日本もかつては山と建築がつながっていましたが
いまは単に鉄やコンクリートの代わりとして
工業製品のように木材を使っています。

節があっても
工業製品のように完璧に製材しなくても
建物の性能が悪くなることはありません。

加工を押さえて
山の利益を最大化することは
山を守り
日本の木材を守る有効な
手段の一つです。

今のままだと利益にならない
木の産業を廃業する人が
あとを立ちません。

山が衰退したら
戦争や石油ショックなどの
世界情勢によって
木材が入って来なくなった時に
困ってしまう!!!

そんな事情から
木造建築が大きく変わってきているのです。

タッチハウスでも
身近にあるできることから
山を守る活動を続けています。

具体的には

材木を仕入れたら
無駄にならないよう加工して
捨てるところを出さない工夫をすること
2912199_s.jpg

山を知り
山のどこに生えていた木なのかを知り
その木を家のどの部分に使うと
最もその性質を伸ばせるのか考え
長持ちする家を作ること

23438836_s.jpg

などです。

タッチハウスでしかできないやり方で
日本の山を守っていきたい。
そんな思いで携わっています。

何のための木造なのか

たまには原点を見つめ直してみました。

最後まで読んでくださって
ありがとうございました。