無垢の木に精通した大工さんしか知らない、構造材の話

こんにちは。タッチハウスブログスタッフの平戸です。

あなたはこういう柱を見たことがありますか?

IMG_6886.jpg

これは背割りという加工をした柱。

この加工が、家の強度を上げるのに重要な役割を果たしているって知っていましたか?そしてこの加工技術を知らない大工さんが増えていることも...。

今回は木造住宅に精通した大工さんに聞いた構造材の話です。

まずはじめに背割りとはどんなものかと言うと?

引用 住宅用語大辞典より
背割りとは、未乾燥の針葉樹の心持ち材などにおいて、製材後の乾燥による材面割れ(背割れという)を防止・軽減させるために行う製材工法のこと。 一般に、化粧的価値の低い材面に、材面のセンターから角材の中心に向けて、適度な深さの溝を角材の全長に渡って入れるが、これを「背割り」や「芯割り」という。


心持ち材というのは中心に年輪のある材木のことで、中心部を避けた心去り材よりも腐りにくく、強度があるため構造材として使われることが多いのだそう。

切れ目を入れることで強度が下がると思われがちなんですが、実は入れた方が強度が上がるそうなんです。その理由は...

下の写真を見てください。

人工乾燥材と自然乾燥材.jpg


写真の右が背割りを入れて乾燥した柱です。背割りの部分に割れが集中する事で開いてきます。立てた後もある程度開いてくるので、壁を押してしまい膨らんできて、壁が微妙に狂ってきます。

こんなイメージ。
S__15327279.jpg

写真の右は背割りを入れずに人工的乾燥したものです。表面の狂いはないのですが、柱の芯の部分の密度が高く強度がある部分に割れが生じています。

なので上からの荷重を支える圧縮強度が落ちてしまうんです。でも、狂いがないためクレームが起きないという理由で現在は主流になっています。

このように強度よりも見た目を優先しているのが今の建設業界です。これがスタンダードなのでこういう木の習性や背割りを知らない大工さんも増えているのだそう。

いつ地震がきてもおかしくない日本に住んでいて、こういった木の性質を知らない大工さんに家を建ててもらうのはリスクが高いですよね。

実は私がこの話を聞いたのは最近のことです。私が家を建てた当時は全く知らなかったのですが、無垢の木を使った木造住宅を専門に作るメーカーだったので、木の性質を知る熟練の大工さんが建ててくれたのだと思います。

無垢の木を日常的に使っているメーカーと、集成材や新建材を日常的に使っているメーカーとでは、知識と経験が全く違います。無垢の木や漆喰などの自然素材の塗り壁で家を建てたいと思っているあなたは、ぜひメーカーの営業マンと話す時に今回の背割りのことを聞いてみてください。その受け答えで、無垢の木に精通したメーカーかどうかがわかります。

ちなみに背割りについて最近私に教えてくれたのが、タッチハウス山田代表です。彼はまあ言ってみれば木のオタクですね。木のことなら何でも相談してみてください。

今回は、無垢の木に精通した大工さんしか知らない構造材の話でした。ご質問などありましたら代表が何でもお答えしますのでコメント欄にどうぞ!

それではまた次回お会いしましょう!

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