家づくりの失敗事例 Vol3

家づくり失敗したくない!と思っても、具体的にどんなことを気を付ければいいの?と思いますよね。そんな時は家づくりの失敗ランキングに注目です。

家を建てた方へのアンケートから集計した「失敗したと思うことワースト10」というランキングがあります。

それを元に家づくりでどんなことに気を付ければ、失敗しないお家が建てられるのかを解説していきます。

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前々回の「家づくり失敗事例 Vol1」でお伝えしたのは

ワースト1位 収納スペース
ワースト2位 間取り
ワースト3位 遮音性

前回の「家づくり失敗事例 Vol2」では

ワースト4位 家事動線
ワースト5位 サニタリーの位置
ワースト6位 窓の位置

です。今回は続くワースト7~10を見ていきましょう。

ワースト7.音

トイレの音が居室に聞こえてしまう。

家の音というと、階下への騒音や寝室の遮音性などに気を取られがちですが、実際に生活をしていて意外と気になるのが「トイレの音漏れ」

トイレがリビングのように人の集まる場所の隣にあった場合には、使用するたびに気まずい思いをしてしまうことも......。

家族であっても人のトイレの音というのは決して心地よいものではないですよね。住んでみて後悔するという方が意外に多いようです。

一般的にトイレの音に配慮して設計すると、居室か、階段室や廊下などの空間を介して配置するのが王道パターン。

これなら生活空間とトイレの間にドアや空間が一つ入るので音をかなり感じにくくなります。

でも実現するとなると、一坪大きくなると数十万円単位でお金がかかるのが注文住宅。

無駄なスペースをできるだけ減らした「ミニマム最適な間取り」と「空間のワンクッション」は共存するのが難しいことも。

そんな時は防音ドアなど、設備で音を軽減することができます。ぜひ建築会社に相談してみてください。

吹き抜けや上下の部屋の位置が音にどう影響するか分からなかった。

解放感があってすてきな、憧れの吹き抜けですが、上下の音が筒抜けになってしまうのがデメリットの一つ。また、二階の音が意外に一階に響くというのもよく聞く話です。

昔ながらの日本家屋は、気密性が低いため室内の音が逃げやすく、また内装は漆喰などの塗り壁や畳、襖など、いずれも吸音効果の高い内装材や建具で構成されていました。

これに対し、現代の住宅は気密性が高いことから室内で発生した音の逃げ道がなく、音が大きく反響しやすくなっているため、音が問題になることが増えています。加えて、内装に使われることが多いビニールクロスやフローリング材も音が反響しやすく吸音効果の低い建材です。

吸音効果の高い自然素材を使うことで、音が軽減されることもありますし、自然素材ではなくても吸音する壁材、天井材もあります。

上下階の場合は配置を考えることで音が気にならなくなることもあるので、設計の段階で生活を想像することが重要です。

ワースト8.加齢への配慮

当然のように階段に手摺をつけたが、有効巾が狭く使いにくい。

年齢と共に衰えが来るのはわかっていることなのに、意外にその立場になって考えられていないのが手すりの位置。ついていることはついていても、実際に年をとってみると使いにくかったということは実はよくあります。

建材メーカーでもおすすめの適正位置などが図解化されている資料がありますので

30年先のライフスタイルまで視野に入れてくれている、バリアフリーに詳しい建築会社を選択するのがいいでしょう。

ユニットバスに跨いで入らなければならない。

最近のユニットバスの浴槽は入り口が低くなっているものが多いとはいえ、まだまだ入り口の高い浴槽もあります。

高齢になってからのお風呂での事故は、家庭内の事故の4割を占めていて不動の一位。床を滑りにくい素材にしたり、手すりをつけたりするのに加え、またぐ高さが40㎝以下の埋め込み式の浴槽が安全です。

フチは握りやすい幅にして腰掛けるスペースがあればより安心です。


ワースト9.ドアの位置

開きドアばかりでドア同士がぶつかったり、家具と当たってしまう&ドアの開き勝手の逆にスイッチやコンセントがあり、使いにくい

これはどれも設計の段階から注意しないとありがちです。

開きドアばかりでなく、引戸も採用するといいでしょう。家具等もあらかじめ図面に記入し、使い勝手をイメージしながら扉の仕様やスイッチの位置を決めることが大切です。

ワースト10.コンセントの位置と数

家具の後ろに隠れてしまい、エアコンやパソコンの分を確保できない

コンセントが使いたいところにない!これもあるあるですね。

まずエアコンですが、将来設置する予定であれば、コンセントと室外機の位置をチェックしておくことです。専用のコンセントが必要になるからです。

パソコンはデスクトップはもちろんのこと、ノートパソコンも使いたい場所を想定しておくことが重要です。また充電する機器も増えているので、充電ポートのような場所もあると便利です。


電化製品を多く使う生活スタイルなので、ぜんぜん足りなかった。

現代は便利な電化製品が次から次へと出てくる時代ですからコンセントがいくつあっても足りないような状況です。

まずは現在の自宅で延長コードやテーブルタップなどを使って、たこ足配線になってしまっているところがないか、確認しましょう。

現在の家でどの場所がたこ足配線になっているかチェックすると、必要な数が明確になります。

また、キッチンや玄関など、意外な場所に必要だった...と思うことが多いもの。特にキッチン家電はどんどん進化しているので、今は足りていても今後足りなくなるかもしれない場所ベスト1かもしれません。

玄関にも、例えば水槽やクリスマスの飾りをおきたくなったりとコンセントがあると便利なシーンが意外にあるものです。

案外忘れがちなのが、庭やベランダ、カーポートなどで使えるコンセントもあると便利だということ。

車の車内清掃や高圧洗浄機を使う時、電動自転車やバイクの充電など、何かと重宝します。


今回は家づくりの失敗事例ワースト7から10までを紹介しました。

次回は間取りや周囲の状況などの失敗事例をお伝えしますのでどうぞお楽しみに。

今回の記事にご質問などございましたら、お気軽にコメント下さい。メールやお電話でのお問い合わせもお待ちしています。

家づくりの失敗事例 Vol2

家づくり失敗したくない!と思っても、具体的にどんなことを気を付ければいいの?と思いますよね。そんな時は家づくりの失敗ランキングに注目です。

家を建てた方へのアンケートから集計した「失敗したと思うことワースト10」というランキングがあります。

それを元に家づくりでどんなことに気を付ければ、失敗しないお家が建てられるのかを解説していきます。

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前回の「家づくり失敗事例 Vol1」でお伝えしたのは

ワースト1位 収納スペース
ワースト2位 間取り
ワースト3位 遮音性

です。今回は続くワースト4から見ていきましょう。


ワースト4.家事動線
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見栄えを重視したプランの基本動線が?すぎたことに気づかなかった。

基本動線には、大きく分けて家事動線と生活動線があります。見栄えを重視した結果、玄関からキッチンへの動線が長く、遠回りになる場合があります。

重い荷物を持って買い物から帰ってきたり、ゴミ出しをする時など、玄関からキッチンが遠いと、些細な事ですが毎日だと少しづつストレスに。

洗濯物の動線を考えて安心していたが、ゴミ出しの不便さに気づかなかった。

「洗う→干す」だけではなく、「たたむ→収納」と毎日重労働でプロセスの多い洗濯は、一つの場所に集約し効率的に行える間取りにすることが家事効率アップにつながると、洗濯室などを設けるプランが増えています。

ただ、それにはもちろんスペースが必要になり、それによって他の動線にしわ寄せが来ることも考えられます。

洗濯動線、料理動線、買い物・ゴミ出し動線など家庭によって違うし、同じ家庭でも平日、休日、朝、晩、晴れの日、雨の日、春夏秋冬、来客時など、様々なシチュエーションでまた違います。

いろんなパターンの生活・家事動線をイメージしておくことが、間取りに失敗しない秘訣といえます。

ワースト5.サニタリーの位置


玄関、キッチンからトイレが見えるなど視線の配慮がなかった。

リビングやキッチンから離れた場所にトイレを配置したのはいいけど、玄関入ってすぐの所になってしまい、来客時に音が恥ずかしかったり、あけっぱなしの所に来客があったり。

逆に玄関から離して配置したのはいいけれど、リビングやキッチンからトイレが丸見えだったり、排泄音や流水音が丸聞こえだったりと、トイレの配置は意外と難しいのです。


リビングからお風呂への動線にプライバシーが無さすぎた。

近年は廊下を減らし、キッチン&リビングを全体の中心に考え、そこから洗面室、個室へ入っていく間取りが増えています。確かに動線はいいのですが、 扉を開けるとリビングから洗面、脱衣所の中が丸見えとか・・・お客様がいると洗面に入れないとか ...そんなこともあります。

このように、トイレや洗面所、お風呂で気を付けたいのは、これらはとてもプライベートなゾーンだということ。大事なのは、その後の暮らしを想像し、家族みんながストレスなく暮らせるように考えることです。


ワースト6.窓の位置
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窓が少なすぎて採光が悪いか、多すぎて家具も置けず、寒くて落ち着かない。

窓の位置や大きさも、住みごごちに大きく関わってきます。

小さすぎると中まで光が届かず、生活スペースにいつも電灯をつけなければならない...、風通しが悪くて年中エアコンをかけていなければならない...なんてことが起こりがちです。

逆に大きい窓も、お気に入りの家具を買ったけど、窓にかかってしまい採光をさえぎってしまったり、冬は熱が逃げて寒かったり。

隣家からの視線をまったく考えていなかった。

周辺の状況もよく観察しないと、大きな窓を設置しても隣の家の人の視線が気になってカーテンが開けられないなんてことになりかねません。なんのために作ったのかと悲しくなりますよね。

「大きいければ大きいほど開放的でオシャレ」「たくさんあればあるほど明るい」と大きな窓は素敵に見えます。確かに光が差し込む明るい家はよい印象ですが、住宅密集地などでは窓の配置は意外と難しいものです。

実は最近の新築住宅は窓が小さい傾向があります。その理由は主に

①プライバシー=外から見られたくない
②断熱性能=窓はどうしても弱点となる
③コスト=窓は壁よりもコストが高い
④防犯=小さければ入れない
などですね。

大きい窓、小さい窓どちらもメリット、デメリットがあります。最近の傾向も気になるところではありますが、住宅密集地に住んでいるのか、近隣との距離があるのか、家にいる時間はどのくらいなのか、エアコンに頼らず自然の風を入れたいのか、空調に頼りたいのか、などご自身のライフスタイルをしっかり踏まえてから、住宅会社と相談することが重要です。


今回は家づくりでどんなことに気を付ければ、失敗しないお家が建てられるのかを、「失敗したと思うことワースト10」を元に具体的にお伝えしました。

次回はワースト7からお伝えしていきますので、お楽しみに!