ウッドデッキのおススメ素材&リフォーム徹底解剖 VOL1 

こんにちは。タッチハウスブログスタッフ平戸です。

「リビングがちょっと狭いな」・「子どもや犬が走り回れるスペースが欲しいな」と思うことはありませんか?

リビングの延長に設置するウッドデッキは「アウトドアリビング」のようなもの。風を感じながら食事をしたり、読書や勉強をしたりと多彩な使い方ができます。

また、コロナ禍の今、この「アウトドアリビング」が注目を浴びています。自粛で出かけられなくてもリビングの延長にウッドデッキがあれば、我が家がキャンプ場やレストランに早変わり!

といいことづくめのようなウッドデッキですが、作るとなるとメンテナンスはどうなのか、耐久性はどのくらいなのか、改修はどんな風にするのか、気になるところですよね。

そこで今回からは、ウッドデッキにおすすめの素材から、メンテナンス、改修工事の様子まで、実際に私がタッチハウスでウッドデッキの改修工事をした事例を元に、徹底解剖していきます。

自宅にウッドデッキを作りたいと思っている方
ウッドデッキの改修工事をしようと思っている方
確かな技術の工務店を探している方

におすすめの記事です。VOL1ではウッドデッキの素材についてお伝えします。

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「ウッドデッキを作るなら、天然木より樹脂木の方が断然良い」と説明しているウェブサイトは数多く存在しますが、実際のところはどうなのでしょうか。

大工歴30年以上のタッチハウスの山田代表に聞きました。

平戸「ウッドデッキって、木材で作るとメンテナンスが大変という印象がありますが、おススメの素材ってありますか?」

山田「ウッドデッキの素材になる木材には、人工と天然のものがあります。どちらが優れているというモノではなくて、二つの素材の違いを知って自分のライフスタイルに合わせて選ぶのが重要です。どういうものなのか知って選べば後で「しまった!」ということがなくなります。」

平戸「なるほど~。では両方の特色を教えて下さい」

山田「ではまず、人工素材から説明していきますね」

デッキの素材1人工素材
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山田「人工の木材で人気なのは樹脂製のウッドデッキです。一見ホンモノの木に見えるくらい精巧に作られている粉状の木材とプラスチックを混ぜて押し固めた素材です。

基本的にメンテナンスの必要がなく、耐久性が高いのがメリットです。腐らないため白アリにの心配もありません。また、紫外線による色褪せもほとんどないので、作った当初の色合いをずっとキープできるんですよ」

平戸「それはいいなあ。我が家は天然木のウッドデッキなんですが塗装がけっこう大変でした。15年経ったのですがそろそろ部分的に傷みが出てきて、作り直さなければならない時期。耐久性が高いなら樹脂製に変えようかな」

山田「でもいいことばかりでもないんです。樹脂なので熱くなりやすいんですよ。、夏の日差しが強い時には素足で歩けないほどになることも。その輻射熱でウッドデッキに隣接する部屋の温度が上がってしまうこともあります。

また天然木材のように吸水することがないので、表面に水がたまり滑りやすくなるのも注意です。

それと、そもそもが天然木の屋外での弱点を補うという目的で作られた素材なので、やはりイミテーション感が強く、質感で見劣りするのは否めないんですよ」

平戸「そうか、確かに鉄板の上にいるような感覚ですもんね。暑い時期にこそ活用したいデッキなのに困るなあ。デッキがリビングに隣接してるから輻射熱で暑くなるのも困る。

それにせっかく自然素材にこだわって作った家なのに、リビングからよく見えるウッドデッキがイミテーション感が強いなんて嫌だなあ」

山田「そんな人には天然素材がおススメです」

デッキの素材2天然素材
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山田「天然木は木目が美しく、木がもつ本来の柔らかさやぬくもりがメリットです。人工木材と比べて熱くなりにくく、夏でも素足で歩くことができます。

木材の種類にもよりますが人工木材より安価に仕上がる場合が多いです」

平戸「え?そうなの?素敵なだけじゃなくて安く作れるの?わーそれってめっちゃうれしい!」

山田「デメリットもちゃんと聞いてくださいね(笑)デメリットの第一はやはりメンテナンスの大変さです。数年に一度は防水のための塗装が必要だし、表面や隙間に落ち葉などがたまらないよう掃除もしたほうが長持ちします」

平戸「そうそう、塗装がけっこう大変。でも毎年塗らなくても大丈夫なんですか?」

山田「3年に一度くらい塗れば大丈夫ですよ」

平戸「そうなんですか?今のデッキは毎年塗るように言われてて、でもとても毎年なんて塗れなかったんんです。だからで15年しか持たなかったんだろうなあ」

山田「確かに天然木のウッドデッキを長持ちさせるためにはメンテナンスが不可欠ですが、メンテナンスだけをすれば良いというものでもありません。

耐久性の高いウッドデッキ作りのためには適切なメンテナンスに加えて、素材選びがとても重要になんですよ」

平戸「そうなんですね。どんな素材がいいんですか?」

山田「天然素材の中でもウッドデッキとして使用される木材は、ハードウッドと言われる広葉樹と、ソフトウッドと言われる針葉樹に大別されます。

ハードウッドは頑丈で腐敗に強く老朽化しにくいため、ウッドデッキに適していると言われています。ただ硬くて重いため施工が難しく、価格も高い傾向があります。

一方のソフトウッドは軽くて柔らかくウッドデッキに向いていないと説明されることが多いのですが、これは正確ではないんですよ。

そのような説明のほとんどでは、「ウッドデッキにどの樹種の木材を使用したか」までは触れてないんです。

もしかするとDIYでよく使われているSPF材でウッドデッキを作ったのかもしれません。

SPF材というのは北米産の針葉樹からきりだされた木材のことです。スプルース(トウヒ)、パイン(松)ファー、(もみの木)のこと。成長が早いので価格が安い反面、耐久性は低く虫にも弱いので屋外や長期間の使用に向かないという弱点が。ホームセンターにほぼ必ず置いてある最も安い部類の木材です。

ソフトウッド=SPF材というイメージが広まってしまい、ソフトウッドは屋外に向いていないと思う方が多いのですが、樹種ごとに木材の性質・特徴は大きく異なるんです」

平戸「確かに私にもそんなイメージがありました。じゃあソフトウッドでも屋外に強い木材ってどれなんですか?」

山田「ソフトウッドの中でも20年以上屋外での風雨に耐えうる性能を備えた木材がいくつか存在し、その代表的なものがレッドシダーです。

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レッドシダーは樹木の内部に「ツヤプリシン」という物質を豊富に含んでいて、これが、木材腐敗菌という木を腐らせる菌類の働きに抵抗する抗菌作用を持っているからなんです。

レッドシダーには、このツヤプリシンに加え虫害を防ぐ効果のある天然成分(Thujicacid)も含まれているため、ウッドデッキ材にうってつけの高い耐久性を備えていると言われているんです。そしてハードウッドに比べ安価なのもメリットです」

平戸「レッドシダー、聞いたことあります。これで作れば低予算で耐久性の高いデッキになるんですね?!」

山田「はい、レッドシダーなら耐久性の高いデッキを作れます。さらにタッチハウスでは、デッキの耐久性を上げるために木の反りを活かす施工の工夫をしています。ですから20年以上もつと思いますよ」

平戸「え?木の反り?それは何ですか?」

山田「どんな樹種であっても、木材には断面に年輪の中心を含んでいる「芯持ち材(芯材)」と、断面に年輪の中心を含まない「芯去り材」の2種類が存在します。

この2種類は時間の経過とともに現れる変形やひび割れに違いがあり、「芯持ち材」は反りが少ないが、ひび割れしやすいという特徴があり、「芯去り材」はひび割れが起きにくいが、反りやすいという特徴があります。

このひび割れしにくい「芯去り材」でデッキを作るのですが、反りの凸面を表面にすることで雨水を排水しやすくしているんです」
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W-WALETより

平戸「えー、スゴイ工夫ですね!それってどこでもやってくれるわけじゃないですよね?」

山田「昔なら当たり前の工夫ですが、目立たないことなので、価格とスピード重視の最近の住宅作りではあまり重要視されることがないかもしれません」

平戸「そうなんですね。元宮大工の山田代表がいるタッチハウスならではですね!それでは我が家のデッキは、レッドシダー+木の反りを活かす施工で改修をお願いします!」

というわけで、15年目の我が家のウッドデッキ、改修工事をすることに決定いたしました!!

次回からはタッチハウスの行うウッドデッキ改修工事の様子を利用者目線でお伝えしていきますね。お楽しみに!

家づくりの失敗事例 Vol4

家づくりに失敗したくない!・・・でも具体的にどんなことを気を付ければいいの?

そんな時は家づくりの失敗ランキングに注目です。

家を建てた方へのアンケートから集計した「失敗したと思うことワースト10」というランキングがあります。

それを元に家づくりでどんなことに気を付ければ、失敗しないお家が建てられるのかを解説していきます。

前回までに家づくり失敗事例ワースト10までを見てきましたが、今回はワースト10には入らなかったけれど、参考になりそうなリアルな声を紹介します

前回までの失敗事例はこちらからご覧ください↓

家造りの失敗事例Vol1 失敗事例ワースト1~3
家造りの失敗事例Vol2 失敗事例ワースト4~6
家造りの失敗事例Vol3 失敗事例ワースト7~10
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【間取り】

和室の使い方で夫婦の考え方が違い、最後まで和室の位置が決まらなかった。結局、曖昧な使いづらい和室になってしまった。

和室は、必要な部屋をつくったうえでプラスアルファとして考えられることが多い場所です。つくる際の費用や後のお手入れを考えると、使う将来が見えなければ無理につくる必要はないのかもしれません。
作ってから後悔しないよう、メリット、デメリットをしっかり確認しておきましょう。


玄関から見えるところにトイレのドアがある。もっと考えて間取り決めるべきだった。

思っていたよりリビングが狭かった。図面上では広さの感じがつかめなかった。

このような失敗例は、打ち合わせの際にしっかり確認すれば防げるもの。自分たち家族の生活の仕方、考え方などを打ち合わせのたびに十分に設計士へ伝えることで防げます。

 図面では違和感を感じなかったが、いざ出来上がった階段が思ったより急勾配で狭かった。しょっちゅう物がぶつかり、傷がつきやすい
 

 建築基準法では階段の勾配に基準を設けています。
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国土交通省より
 
 最近の住宅では45度以下が一般的らしく、勾配のきつい階段は小さなお子さんや高齢者に優しくないといえます。事前に調べることが可能ですので、図面ができたら確認してみましょう。

【隣地】
 
寝室の窓が隣のキッチンの排気口と同じ位置で、臭いが入ってくるため、寝室の窓を開けることができない。事前に確認すべきだった。
 
隣家の台所と自分の家の台所の出窓がほぼ同じ位置にあることが、建ててから分かった。使えないので結局後から窓をつぶす羽目になった。

窓の位置と庭の植栽がバラバラ。室内からの見え方を考慮すべきだった。

狭小の敷地をできるだけ広く使うプランを提案されたが、隣家の距離を考えていなかったため、ちょっとした声も響いてしまう。駐車場も想像以上に狭く、何度も切りまわさなければ入らない家になってしまった。

家を建てる時は家の中のことで頭がいっぱいで、なかなか隣地にまで考えが及ばないものですが、隣家の窓と自分の家の窓の位置関係は、意外にストレスやトラブルの元になることが多いもの。

隣家の窓や換気扇、駐車場がどこにあるのかを事前に確認しましょう。隣家の調理のニオイや車の音が気になるところの近くには、自分の家の窓は配置しないように気を付けましょう。

窓の位置を高くして隣家の視線を遮ることもできます。


【家具】

子供室の家具の配置はどうにでもなると思い、広さだけを確保した。いざベッドと机、本棚を置いてみると入口扉、窓、コンセントなどうまく配置できず、落ち着かない子供部屋になってしまった。間取りがきまった段階で家具を図面に入れて検討すればよかった。

採光を多く取り入れたいと思って窓を多くしたが、入居して家具を置こうとしてから、スペースがまったく足りず、そのうえカーテン代が想定以上に高くついた。

家ができて実際に家具を置いてみたら、思ったよりも家具が大きくて圧迫感があり、部屋が狭く見えるなんてこともよくあります。

このような家具の失敗例の原因としては、間取りの段階で実際に入れるサイズの家具を図面に書き込んでいないのが大きな要因です。家具を図面に書き込むことでサイズ感がでてきます。

そうすれば間取りの狭さが原因であれば間取りを広げたり、もう少しコンパクトな家具に変更するという選択肢も取る事ができるようになります。

【冷暖房】

リビングに大きな吹き抜けをつくることが憧れだった。しかし実際に住んでみると寒いし音も響くし、落ち着かなかった。冷暖房の効率をもっと真剣に考えるべきだった。

LDKに階段を置くプランを提案され、オシャレだと思って喜んで採用した。しかし、住んでみるとその階段のためにエアコンの効きが悪く、夏は暑く冬は寒いLDKになってしまった。設備計画をきちんと考えたプランにすべきだった。

解放感が人気の吹き抜けやリビング階段ですが、冷暖房効率が悪くなるのがデメリットです。ただ対策次第で快適に過ごすこともできます。

リビング階段の効果的な寒さ対策には以下のようなものがあります。

カーテンやロールスクリーンを取り付ける ...
サーキュレーターやシーリングファンを使う ...
階段に向けてストーブを使う ...
全館空調システムを使う ...
リビングの階段に引き戸を設ける...

色んな方法を知った上で優先順位を決めるといいですね。

このシリーズでは4回にわたって家づくりの失敗事例から、それを元に家づくりでどんなことに気を付ければ、失敗しないお家が建てられるのかをお伝えしました。

家を新築するというと、誰しも理想の生活を思い描いてしまうもの。でも重要なのが「理想の生活に間取りを合わせようとしない」ということです。

掃除や片付けが苦手な方は、オープンキッチンや見せる収納は避けたほうがよいでしょう。どんなに立派な家事室をつくっても、テレビを見ながら洗濯物を畳んだりアイロンをかけたりする習慣のある方は、やがて家事室を使わなくなるかもしれません。

憧れの間取りに生活を合わせようとするのではなく、今の生活習慣に理想や憧れを取り入れながらプランニングする。それが、失敗のない家づくりの第一歩です。

4回に分けてお届けした失敗事例が、あなたの家づくりのお役に立てたら大変うれしく思います。

今回の記事にご質問などございましたら、お気軽にコメント下さい。メールやお電話でのお問い合わせもお待ちしています。